今日は、はっきり言います。SEOはなくなりません。
しかし、検索結果の一覧を上から順番に眺め、何ページも見比べる行為は、すでに主役ではありません。
SEOは残る。でも、検索結果はもう主役ではない。私はいま、Web上で会社を見つけてもらう仕組みが、明確な転換点に来ていると考えています。
検索結果は、もともと親切ではなかった
そもそも、検索結果をそのまま「答え」だと思っていた人が、どれほどいたでしょうか。
上のほうには広告が並び、知りたいこととは少し違う記事も混ざる。検索順位を意識してつくられた、結論の見えにくいページもあります。使う側は、それを前提に何件も開き、比較し、怪しい情報を避けながら、自分で答えを組み立てていました。
少し前の賃貸物件探しを思い出すと、構造がよく似ています。魅力的な物件を見て問い合わせたら、「もう決まってしまいました。ほかにもありますよ」と案内される。すべての不動産広告がそうだったわけではありませんが、「おとり広告」という問題が正式な規制対象になっていることは事実です。
参考1)不動産公正取引協議会連合会「『おとり広告』の規制概要及びインターネット広告の留意事項」(2019年11月)
検索は便利でした。ただし、「表示された候補にはノイズもある」と理解したうえで使う、不便さ込みの道具だったんですよ。
AIは検索結果ではなく、紹介者になる
AIが変えたのは、答えを探す手間です。利用者は10件のリンクを順番に確認する代わりに、「私の場合はどれがいい?」と聞けるようになりました。
利用者が欲しかったのは検索順位ではなく、自分の状況に合う答えと、信用できる紹介だった。私はそう見ています。
NTTドコモ モバイル社会研究所が2025年11月に実施した調査では、15〜79歳の生成AI利用者の64%が、検索画面に表示されたAI要約だけで満足し、リンクを開かずに検索を終えることがあると回答しました。
50〜70代女性でも、「ほとんどやめる」「よくやめる」を合わせた割合が約4割です。もう、若い人だけの話ではありませんね。
参考2)NTTドコモ モバイル社会研究所「6割超がAI要約で検索完結」(2026年2月)
生成AIの利用自体も広がっています。同研究所の別調査では、全国15〜69歳の生成AI利用率が2025年の27%から2026年には51%へ増加し、すべての年代で利用が伸びました。
参考3)NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」(2026年4月)
さらに、2026年2月の情報信頼度調査では、生成AIを利用している人の中では、年代が上がるほど生成AIへの信頼が高くなる傾向も示されています。
参考4)NTTドコモ モバイル社会研究所「情報への信頼」(2026年7月)
もちろん、AIがいつも正しいわけではありません。それでも、検索結果を一件ずつ疑いながら確認するより、まずAIに聞く人が増えるのは自然です。便利な入口は、多少の不完全さがあっても使われます。
SEOというキラーワードに、もう酔うな
SEOは、良くも悪くも会社にとってキラーワードです。
「SEO対策が必要です」と言えば、それらしく聞こえる。検索順位を上げれば問い合わせが増え、売上も伸びるような気がする。社内で予算を取り、外注を決める理由にもなりやすい言葉でした。
しかし、会社が本当に欲しいのは検索順位でしょうか。違いますよね。必要な相手に見つけてもらい、内容を理解してもらい、最後に選ばれることです。
SEOを目的にした瞬間、順位という数字と、選ばれるという本来の目的が入れ替わります。入口がAIへ移り始めたいま、「SEO」という言葉だけを唱えていても足りません。
だからといって、SEOを捨てる必要はありません。Googleは2026年5月、生成AI検索についての新しい公式ガイドを発表し、SEOの基本はAI検索でも引き続き土台になると説明しています。
参考5)Google Search Central「A new resource for optimizing for generative AI in Google Search」(2026年5月)
A new resource for optimizing for generative AI in Google Search
Googleが公開した生成AI検索向けガイド。SEOの基本が引き続き重要であることを明記しています。
developers.google.com検索エンジンに見つけてもらい、内容を理解してもらう。その基礎は残ります。変わったのは、その先です。
SEOは見つけてもらうための土台。LLMOは、AIの回答の中で紹介してもらうための設計です。対立するものではなく、出口が変わったと考えるほうが自然です。
そして、LLMOを次のキラーワードにしてはいけません。「SEO」を「LLMO」に置き換えただけで目的が曖昧なままなら、同じことを繰り返すだけです。
検索順位より先に、AIへ説明できる会社になれ
では、中小企業は何をすればいいのでしょうか。最初にやることは、特別なLLMOツールの導入ではありません。
- 誰に、どんなサービスを、どのように提供する会社なのかを具体的に書く
- お客様が実際に聞く質問と、曖昧に逃げない回答を掲載する
- 実例、根拠、対応できる範囲、できないことを明記する
- 会社情報やサービス内容を、サイト内外で矛盾させない
AIは、書かれていないことを正確には紹介できません。「幅広く対応します」「最適な提案をします」だけでは、誰に勧めるべき会社なのか判断できないんですね。
正直、ここはテクニックの話ではありません。自社が何者で、誰のどんな困りごとを解決するのか。それを具体的な言葉でWeb上に残せるかどうかです。
AIが説明できない会社は、検索順位が落ちるより先に、選択肢から消えていく。これは検証が続いている分野なので断定はしませんが、私はこの見立てに、かなり本気です。
検索結果の中から利用者に見つけてもらう時代から、AIに理解され、必要な人へ紹介してもらう時代へ。Webコンテンツを扱う側にいる私は、いまこそLLMOを深く知り、発信のつくり方を変えるべきだと考えています。
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